髭のサロン INTERNET HIGE NO SALON

髭のプロフィール

"SM半生記"について髭自身が語る・・・・

"SM半生記"の章を読むと、SMの世界に入るきっかけとなった女性・真弓について書かれていますが、その彼女と会うことによって、髭さんが、それまでフィクションと考えていたSMの世界が現実のものとなった・・・。それ以前というのは、全くプレイをしてみたいって欲求はなかったのですか?
 う〜ん、SMっていうのが身近ではなかったからね、今と比べると。だから、フィクションの世界だと思っていた。『奇譚クラブ』なんかを読むと、読者の投稿文なんかが載っていて“へぇ〜、実際にこういう人もいるんだ。”って考えるんじゃなくて、“こういう世界もあるんだなぁ。”と考えていた。まったくフィクションの世界として読んでいたわけ。
真弓と会うまでは、それ以上のことは考えもつかなかったと。
 そういう女が現実にいるなんて、想像もつかなかったし、信じられなかった。だから、推理小説なんかを読むように『奇譚クラブ』なんかを読んでいたからね。読んで興奮するって事はあるんだけど、“じゃあ、そのへんの子を縛って”というようなことが許されるとは思わなかった。つまり、観念の世界だったんだよな。
SMの世界がフィクションではないと言うことを知らしめた真弓が、親友と関係を持ちますよね。親友と関係を持つことで、髭さんの嫉妬心をSMの世界に向かわせる・・・。プレイの主導権は向こうが握っていたと言えますよね。
 そうだね・・・・。ちょうどそのときに、俺は、男と女の関係というのを全部洗い直す−−−考え直すことが出来たんだよ。嫉妬の感情とはどういうものなのか? 男としての嫌らしさとはどういうものなのか? 恋人としての嫌らしさとは? とね・・
こういったら失礼なんですが、真弓と出会った頃の髭さんって意外に純情だったんですね。
 俺は今でも純情だよ(笑)
真弓と出会わなかったら、今の髭さんはいないですよね。
 そうだね。昔は文学少年だったから、そのまま変わらず堅物でいってたかもね。
真弓の次に千寿子って女に会いますよね。この千寿子の場合も、プレイでの主導権は向こうが握っていたように思えますが。たとえば、“アナルでして”って自分から求めて来たりとか・・・。
 そうだね
で、髭さんのプレイって、スカトロはダメだけど、アナルの開発に対しては貪欲な面がありますよね。それは、千寿子との経験が色濃くあるように思えますが。
 そりゃそうだよ。やっぱり原体験っていうか、初めての体験というのはね、そりゃ影響ありますよ・・・。よく“脇毛フェチ”って俺はいわれるんだけど、それは初体験の相手−−−近所の女の子に誘惑されたんだけど、その子が脇毛を生やしたままだった。それが非常に印象に残っていてね。今でも目に焼き付いているよ(笑)。男の性って、初めての経験が強く頭にインプットされて、それに縛られるんだよなぁ
千寿子に会ったときは、もう社会人だったんですよね。
 最初の会社、三崎書房ってところの営業をやっていて、本持って全国を回っていた頃だね
その後SM雑誌の編集に就きますよね。やっていた雑誌は?
 司書房から出していた、『別冊SMファン』
どういった経緯でそこに?
 三崎書房の後に、『幻想と怪奇』って雑誌の編集をやっていたんだけど、それ出していた出版社がつぶれたんだよな。で、路頭に迷っていた頃に、『幻想と怪奇』でもイラストを描いていた小悪征夫さんって方に紹介されて・・・・
SM雑誌の編集をやるって事で、何か運命的なものって感じましたか?
 う〜ん、当時、石油ショックで就職先もなかなかないときだから、運命的っていうよりもね(苦笑)。その頃って、まだ堅物だったんだよ、俺。絵に描いたような文学少年というか青年だった。哲学論なんかやってると、首を突っ込んでいくっていうね(笑)。しかし、その一方で、ソープランドとかで遊びまくっていて、非常に、真面目スケベっていうかな、そんな感じだったんだよ。会社では、スケベな話なんかできないって雰囲気を醸し出している真面目な編集者。外に出るとソープ通いっていう(笑)
真弓と別れてから、女遊びに狂ったと書かれてますが、丁度その時期ですね。
 うん・・・・。ちょっと女性不信になってたからね。
女遊びをすることが、真弓に対する復讐・・・女に対する復讐だったと書いてますが、SMっていうと、サディスティックな感情って不可欠なものですよね? 真弓に対する復讐、女に対する復讐って事で、髭さんの中にサディスティックな感情が芽生えたって事もあるんじゃないですか?
 気持ち的にはあったと思うけど、行為としてはしなかったからね。その頃、俺、SMプレイってやってないんだよ。・・・というのはね、真弓が浮気する。で、俺はカッカッする。髪の毛掴むわ、服は破るわでさ、SMとはいえないSM行為をやっていたから・・・・。俺と真弓と親友との三角関係って当時さ、フリー・セックスて叫ばれていて、その実験的な意味合いもあった。俺は学生運動もやった人間だから、それに対する理解っていうのもあるんだけど、それまでに培われてきた封建的な家族制度っていうのからも抜けきれなくて、そのしがらみの中で、自分自身が分裂していくっていうのかな・・・
その頃の象徴的なエピソードとして、幼なじみのオリーブって子の、親が決めた結婚話を破棄させるって話がありましたが。
 うん、あったね
その子のおじいさんに、斧持って追いかけられたと。
 うん・・・・(苦笑)。その子は、その後、自分で選んだ相手と結婚した。弁護士とね。
へえー。親が決めた相手と結婚しないで正解だったのでは(笑)。
 そうね(笑)。その子とは関係を持たなかったけど、その頃はホント、女の子をハントばかりしていた。けれど、SM行為はしてなかったね。ただ、寝るっていうだけ
その後、人妻の美香に会う・・・・・。
 うん。初めての人妻だよな
その美香は、今までと違って、自分から縛ったんですよね。
 その頃は俺はもう、SM雑誌から離れて別の雑誌をやっていた
じゃあ、SM雑誌の編集やっていた頃って、縛ったりとかってまったくやっていなかった・・・?
 なにもしない。企画を出して、作家なりライターに書かせてるって編集業に徹していた
へえー。
 ・・・つまり、俺のSMって愛情なんだよ。相手に愛情を抱いて、相手にやらしてくれっていうか、相手からやってくれって言われて、初めてそこで縛るっていうね。今は、愛情がなくてもやっちゃってんだけどね(苦笑)。あくまでも、二人の間に愛情があって出来ることなんだよ
で、美香さんとの場合は・・・・。
 旦那に対する嫉妬ってあったことはあったんだけど、もう子供じゃないからね、相手の家庭を壊そうなんて事は思わなかったし・・・。だけど、なんとかして彼女を引き止めておきたいって気持ちもあって、それが“縛る”って行為に走らせたんだと思う
美香さんはどうだったんですか?
 彼女はもう肉体的にも熟れていたし、縛ると燃えてくれたよ
その後、もう一人、人妻と会いますよね。
 琴絵ね。その当時は、再びSM雑誌の編集をやりだした。『S&Mスナイパー』の編集長
当時はSM誌が十二誌あって、後続の『スナイパー』の特色を打ち出すために、既刊の雑誌がフィクション中心であったのに対抗して、ノンフィクションの方に力を入れ始めたと――その一環として、SMクラブ回りを始めますよね。そこで、琴絵と会うきっかけをもたらしたK氏という人物に会う・・・・・。
 『メナースクール』のK氏ね
この『メナースクール』というのはSMサロンだったんですか?
 う〜ん、SMサロンというか、テレクラのはしりみたいなもんだったね。女性誌に広告を出して、それを見てかけてきた女性の相手を男性会員がするというもの。それで話が合えば会ってプレイするって感じだったなぁ
そのK氏から見せられた手紙が琴絵のもので、そこから二人の付き合いは始まると。その頃はSMがブームだったようですが?
 縄師の長田英吉さんだとか、葵マリーの『ブルーシャトー』なんか、テレビで取り上げられていたね。その頃、長田ゼミナールなんて百人くらい会員がいたよ
なんでまた、そういったブームが起こったんですか?
 経済的にも安定してきて、刺激にみんなが餓えていたというのがあるんじゃないかな
琴絵さんについての話に戻りますが、彼女を『スナイパー』の対抗誌の読者モデルに応募させますよね。
 自分がそうではないと思っていても、雑誌の方向性はフィクション。だから、どこか気持ちが燃え上がらないところがあった。で、さっきいわれたように、『スナイパー』はノンフィクションを、リアルさを追求しようって考えた。ちょうど、時代はSMブームだったし、クラブなんかもどんどんオープンし始めていた。その前にもSMクラブってあったことはあったんだけど、取材というのは困難だったんだよな。それが、ブームになってくると状況は変わってきた。紹介させてくれっていえば、二つ返事でOKって状況になってきた。それを紙面に生かしていたわけだけど、それと、M女性読者の応募って、その頃、年に一回とかあって、それを他誌ではどんな風に対応して、紙面に生かすのか気になっていたんだよな。他誌の内情を偵察したいと
それで、琴絵さんをその役として、他誌のモデルに応募させた・・・。
・・・・初めのSMの相手である真弓との関係から、俺は嫉妬心ってものをなくしたんだ。なくすように努力したんだよな。そこで、得た結論って、いかなるものも縛ることはできない、自分だけのモノにしておくことはできないということ。心は縛っても、他のものは縛れない。当時の俺はそう考えていたんだよね。だから、プレイのひとつとして、琴絵を他誌に応募させ、撮影現場に行かせた。そこで、なにをやられたかを俺に報告しろとね
今思えば馬鹿なことをしたと述懐してますが・・・・・。
 俺もその頃はまだ若かったから、琴絵に対しては非常にS的な態度をとった・・・。今考えれば、彼女とは結婚まで考えたんだ。しかし、やはり離婚はできないという結論を彼女が出してきて・・。その代わり、あなたの子供を産ませてくれって言ってきて・・
髭さんの子供を産んだんですか?
 本当かどうかわからないけど(苦笑)俺はその子に会ってないし、血液検査したわけでもないから、確証は得られないけど、産んだらしい
・・・・琴絵さんとは今でも年に一回くらいは会っているようですが?
 出産するって頃から、しばらく会わないでいて・・・。その後は、途切れ途切れではあるけれど、連絡は取り合っているね
“SM半生記”の章では、その琴絵とのことで筆をおいてますが、その後は・・・・?
 その後にあった女性によって、自分の今のスタイルが決まったね。その女性と会うまでは、命令には絶対に応じさせる、血気盛んなSっていう感じだったけど、それからは、だんだん頭も丸くなって、好々爺って言うかなぁ(笑)、そういうところに変化していった・・・。その女性については、詳しいことはまだ言えないね。話すとしたら、調教師、そして、SMカウンセラーとしての髭という看板を降ろした時かな・・・

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